売却先の選び方

ワケガイの仕組みを建築行政窓口経験者が解説|評判・口コミも検証

コン道先生

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ポン吉
ポン吉

「地元の不動産屋に、この土地は売れないと言われた」
「ワケガイという会社を見つけたけど、怪しくないのか不安」

相続した実家や共有名義の土地で、こんな行き止まりに立っている方は多いと思います。

この記事は、私がワケガイを利用した体験記ではありません。

公式サイトや免許情報などの公開情報と、建築・不動産の専門知識、そして行政窓口での実務経験をもとに、ワケガイという買取サービスの「仕組み」を分解した分析記事です。

この記事でわかること
  • ワケガイに相談する価値がある人と、別の手段が良い人
  • 買取価格が仲介より安くなる構造的な理由
  • なぜ一般の不動産会社が断る再建築不可を、買取業者は買えるのか
  • 査定を申し込む前に、自分で役所で確認しておくべきこと

口コミをなぞるだけの記事にはしません。「売れない土地」の正体を一緒に見ていきましょう。

\建築不可で迷っているならプロに相談/

この記事を書いている人

コン道先生

・接道、再建築等の相談を行政窓口で経験
・不動産会社や建築士から質問される側
・建築士、宅建、FP2級の資格取得

目次

結論|ワケガイが向く人・向かない人

結論

ワケガイは「速く、確実に、面倒な物件を手放したい人」

に向いたサービスです。

一方で「時間がかかっても1円でも高く売りたい人」には向きません。

この2つは両立しません。
買取という仕組みは、速さと確実性の対価として価格を譲る取引だからです。

向いている人

タイプ具体的な状況
他社で断られた再建築不可、共有持分、事故物件で仲介を断られた
急いでいる相続税の納付期限、離婚、転居などで現金化を急ぐ
遠方で管理できない空き家の固定資産税と管理負担から早く解放されたい

向いていない人

タイプおすすめの手段
価格を最優先したい一般の仲介で時間をかけて買い手を探す
物件に問題がない接道も権利関係も問題なければ、仲介で相場通りに売れる可能性が高い
共有者と話ができる共有者間での持分売買や、全員での一括売却のほうが手取りが多い

窓口でよくある相談「なんで建て替えできないんですか」

窓口実例

行政窓口で、不動産会社に断られたあとに来られる方の第一声は、ほとんどこれです。
「なんで建て替えできないんですか」

ご本人は、長年そこに家が建っていたのだから、建て替えもできると思っています。

ところが調べてみると、敷地が建築基準法上の道路に2m接していない。つまり再建築不可だった、というケースが大半です。

この状態の土地は、一般の仲介市場では買い手がほぼ付きません。買った人も建て替えができないからです。

だからこそ、「建て替えができない土地でも買う」という出口を持つ買取業者の存在意義があります。

自分がどちら側か分かった方は、次の一手はシンプルです。

向いている側なら、無料査定で「いくらで買えるか」の数字を手に入れること。向いていない側なら、まず仲介で相場を確かめること。

\建築不可で迷っているならプロに相談/

この一手で、「売れるのか売れないのか」という不安が「いくらで売れるか」という判断材料に変わります。

ワケガイとは|運営会社と免許を確認する

結論

ワケガイは、国の宅建業免許を持つ法人が運営する、実在の買取サービス

です。

「怪しいかどうか」は、感覚ではなく公的な記録で判断できます。
その方法を先にお伝えします。

運営会社の基本情報

項目内容
サービス名ワケガイ
運営会社株式会社ネクスウィル
所在地東京都港区新橋
設立2019年1月
事業内容訳あり不動産買取、不動産売買・仲介・管理ほか

【出典: ワケガイ公式サイト 会社概要】

設立から10年未満の新しい会社です。ただし、不動産買取という事業は「歴史の長さ」より「免許の有無」と「処分歴の有無」で安全性を測るべきです。

免許番号の見方と確認手順

不動産の売買を業として行うには、宅地建物取引業法3条に基づく免許が必要です。

ネクスウィルの免許は、第三者サイトの記載によると「国土交通大臣(1)第10481号」です。

この表記は次のように読みます。

  • 国土交通大臣: 複数の都道府県に事務所を置く業者(1都道府県内なら知事免許)
  • (1): 免許の更新回数。5年ごとの更新で、(1)は初回免許から5年以内または1回目の更新
  • 第10481号: 固有の番号

確認方法は3ステップです。

  1. 国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」を開く
  2. 「宅地建物取引業者」を選び、商号に「ネクスウィル」と入力
  3. 免許番号、所在地、過去の行政処分の有無を見る

行政処分は宅地建物取引業法65条に基づくもので、処分があればここに記録が残ります。

窓口の視点|業者の名前で聞かれたことは、実はない

正直にお伝えすると、私の窓口で「この買取業者は大丈夫ですか」と業者名を出して聞かれたことはありません。

行政窓口は個別の業者の良し悪しを答える立場にないので、仮に聞かれても「免許番号で検索できますよ」と案内するにとどまります。

つまり、業者の信頼性は、役所に聞いても教えてくれない。
自分で免許情報を見るのが唯一の確実な方法です。

上の3ステップは、ワケガイに限らず、どの買取業者を検討するときにも使えます。

対応物件と「買取できない例外」

結論です。ワケガイは「宅地として使える土地」なら全国対応ですが、農地・山林・賃貸需要ゼロのエリアは買取できないことがあります。

ご自身の土地が対象に入るか、ここで先に判定しておきましょう。

対応している5つのカテゴリ

公式サイトが掲げる対応物件は次の5つです。

  • 共有持分・共有名義(自分の持分だけの売却も可)
  • 空き家・ゴミ屋敷(片付け不要、現状のまま)
  • 再建築不可・借地・底地
  • 事故物件・心理的瑕疵
  • リースバック(売却後も住み続ける方式)

対応エリアは全国47都道府県です。

公式が明記している「買取が難しい例外」

公式サイトのよくある質問には、こう書かれています。

「山林や田、畑、採草放牧地など、宅地として利用できない土地や、賃貸需要が全く無いエリアの不動産は買取が難しい場合があります」

ここが重要です。

「訳あり」なら何でも買う、ではありません。買取業者は買った後に「再販する」か「貸す」かの出口が必要で、その出口が作れない土地は買えないのです。

窓口でよくある相談「農地だって知らなかった」「調整区域でも建つと思っていた」

ここは窓口で本当に多い誤解です。2つ紹介します。

①農地

登記簿の地目が「田」や「畑」になっている土地は、売るだけでも農業委員会の許可が必要です(農地法3条)。

宅地にして売るなら、転用の許可が必要になります(農地法5条)。この許可は立地によっては下りません。

相談に来られる方の多くは、「自分の土地なのに、売るのに許可が要る」こと自体を知らずに来られます。

②市街化調整区域

都市計画法7条で、市街化を抑制する区域と定められたエリアです。ここでは原則として新しく家を建てることができません(都市計画法29条、34条)

「田舎だから土地は広いし、好きに建てられるでしょう」と思って来られる方が多いのですが、調整区域では原則建てられない。これは土地の価値に直結します。

農地や調整区域の土地をお持ちなら、買取業者に相談する前に、まず市役所の農業委員会(農地)か都市計画課(区域区分)で、「この土地に家は建てられますか」と一言聞いてみてください。

その答えが、買取業者に相談する価値があるかどうかの分岐点になります。

建築士が解説|なぜワケガイは再建築不可を買えるのか

結論!

「売れない土地」の正体は、「買った人にとっての出口がない土地」です。

買取業者は、一般の個人には作れない出口を自社で作れるから、再建築不可を買えるのです。

再建築不可とは何か

建築基準法43条1項は、建物の敷地は幅4m以上の道路(建築基準法42条で定義された道路)に2m以上接していなければならない、と定めています。これを接道義務と言います。

この条件を満たさない土地に建っている家は、今ある建物は使えますが、取り壊して建て直すことができません。これが再建築不可です。

一般の人が買っても建て替えができない。だから住宅ローンも付きにくい。だから仲介では買い手が付かない。これが「売れない」の構造です。

買取業者が作れる3つの出口

買取業者は、個人ができない次のような手を使って出口を作ります。

出口内容
43条2項の許可・認定一定条件を満たせば、特定行政庁の許可(2号)や認定(1号)で建築が可能になる
隣地の買収・通路の確保隣地の一部を買う、通行や掘削の承諾を取るなどで接道を満たす
現状のまま賃貸・再販建て替えずリフォームして貸す、または投資家向けに売る

建築基準法43条2項は、接道義務の例外です。

1号は「認定」で、幅4m以上の農道などに2m以上接する建物が対象。2号は「許可」で、周囲に広い空地があるなど、交通上・安全上・防火上・衛生上支障がないと建築審査会が認めた場合に建築できます。

この許可や認定を取れるかどうかの見立て、隣地交渉、再販先の確保。これらを一体でやれる組織力が、買取業者の価値そのものです。

窓口でよくある相談「道があるのに、なぜ接道していないのか」

窓口で多かったパターンは2つです。

①間口の幅

目の前の道路にはちゃんと接している。ところが測ってみると、接している幅が1.8mしかなかった。接道義務は2m以上なので、わずか20cm足りないだけで再建築不可になります。

②道路の種別

家の前に車が通れる道がある。だから当然接道していると思っている。
 ところが調べると、その道は建築基準法42条の「道路」ではなかった。見た目は道でも、法律上は道路ではない通路、あるいは43条2項の空地扱いだった、というケースです。

「道があるかどうか」と「建築基準法上の道路かどうか」は、まったく別の話です。これは役所で道路種別を調べないと分かりません。

43条2項の許可は、実際どのくらい通るのか

窓口実例

私の勤務先の自治体では、43条2項の許可の相談は、条件を満たしていれば大体は通っていました。

ただし、稀に「条例違反の状態を是正してからでなければ許可できない」というケースがありました。

たとえば、敷地内に建築基準法や自治体の条例に合わない部分があると、その是正が先、という判断になります。

許可の基準は自治体ごとに「包括同意基準」などの名称で定められており、内容は自治体によって異なります。「隣の市では通ったから」は通用しません。

次の一手は明確です。市役所の建築指導課(名称は自治体により異なる)で、「この土地の前の道は建築基準法上の道路ですか。種別は何ですか」と聞いてください。

無料で、その場で答えてくれます。この答えひとつで、土地の価値の桁が変わることがあります。

買取価格が仲介より安くなる3つの理由

結論!

買取価格が仲介より安いのは、ぼったくりではなく、業者が「3つのコストと責任」を引き受けているからです。

安い提示額を見てがっかりする前に、その構造を知っておいてください。

理由1: 再販コストと利益

買取業者は、買った物件を直すか、権利を整えてから、再び売るか貸します。

その修繕費、調査費、人件費、そして事業としての利益を、買取価格から差し引く必要があります。これは買取という事業の構造上、避けられません。

理由2: 権利調整のコスト

共有持分や借地権などの物件は、買った後に他の共有者や地主との交渉が待っています。

交渉には弁護士や司法書士などの専門家が関わることが多く、時間も費用もかかります。このコストも価格に織り込まれます。

理由3: 契約不適合責任を業者が引き受ける

ここが、一般の人が見落としがちな最大のポイントです。

民法562条から564条は、売った物に欠陥があった場合、売主が修補や代金減額、損害賠償の責任を負うと定めています。これを契約不適合責任と言います。

個人間の仲介売買では、売主であるあなたがこの責任を負います。売った後に雨漏りやシロアリが見つかれば、数百万円の請求が来る可能性があるのです。

買取では、宅建業者が買主になるため、この責任を免除する特約が付くのが一般的です(ただし民法572条により、売主が知っていて告げなかった欠陥は免責されません)。

つまり買取価格には、「売った後に請求されるリスクをゼロにする」という保険料が含まれています。

仲介と買取の手取り比較

項目仲介買取
売却価格相場に近い相場より低い
仲介手数料売買価格の3%+6万円+消費税(上限)不要
売却までの期間数か月〜年単位。売れないこともある最短数日〜1か月程度
契約不適合責任売主(あなた)が負う原則免責
片付け・修繕自己負担が多い現状のまま

仲介手数料の上限は宅地建物取引業法46条に基づく国土交通省告示で定められています(400万円超の物件の場合)。

「相場の5〜7割」という数字の扱い方

ネット上では「買取は相場の5〜7割」という数字をよく見ます。

これは買取全般の一般的な傾向として語られる数字であり、ワケガイが公式に示している数字ではありません。訳あり物件の場合、立地や権利関係によってはこれより低くなることも、高くなることもあります。

不確かな数字で期待を作らないために、私は「査定額を見てから判断する」ことをおすすめします。査定は無料で、断っても費用はかかりません。

窓口の視点|業者が調査に来るとき、何を調べているか

「査定が安すぎる」と窓口に来られた方は、私の経験ではいません。

その代わりに窓口で見ていたのは、買取業者の調査担当者の動きです。

彼らは必ず、その土地の道路種別、都市計画の区域区分、建築計画概要書(過去の建築確認の記録)を確認しに来ます。

つまり業者は、あなたの土地の「出口がどこにあるか」を法規制のレベルで調べたうえで、価格を出しているのです。安い提示額には、こうした調査の結果が反映されています。

ワケガイの良い評判・口コミの傾向

ネット上の口コミで評価が集まっているのは、「スピード」「対応の丁寧さ」「他社で断られた物件を受け入れる姿勢」の3点です。

ここでは個別の口コミを転載するのではなく、複数の第三者サイトと公式サイトの「お客様の声」を横断して見えた傾向を要約します。

傾向1: 現金化までが速い

「問い合わせから3日で決済まで進んだ」という趣旨の声が、公式サイトのお客様の声に掲載されています。

公式のよくある質問でも、相談から3営業日以内に査定額を提示し、合意後は最短で翌営業日に買取完了とされています。

相続税の納付期限など、締め切りがある人にとって、この速さは価格以上の価値になることがあります。

傾向2: 対応が丁寧

「分からないことで何度も電話したが、毎回丁寧に対応してくれた」という趣旨の声があります。

訳あり物件の売主は、不動産取引に慣れていない方が多いです。何度聞いても答えてくれる窓口があることは、安心材料になります。

傾向3: 他社で断られた物件でも相談できる

再建築不可、共有持分、ゴミ屋敷など、仲介では門前払いされる物件を扱っている点が、第三者サイトでも共通して評価されています。

弁護士や司法書士と連携している体制も、権利関係が複雑な物件では強みです。

窓口の視点|丁寧な業者は、回答者の名前まで聞いてくる

窓口で複数の買取業者の調査担当者を見てきた中で、「仕事が丁寧だな」と感じる業者には共通点がありました。

建築計画概要書や道路の証明書を取るだけでなく、「今の回答をしてくださった方のお名前を教えてください」と聞いてくるのです。

後で言った言わないにならないように、誰からの回答かを記録しておく。この一手間をかける業者は、売主との契約でも同じ丁寧さを持っていることが多いと感じます。

これは特定の業者を保証するものではありません。ただ、「調査の丁寧さ」は業者の質を測る一つの物差しになる、ということです。

ワケガイの悪い評判・注意点の傾向

結論です。悪い評判は「提示額への不満」「担当者による差」「エリアによる断り」の3点に集中しています。

いずれも、事前の準備で対策できるものです。

注意点1: 提示額が想像より低い

最も多い不満です。前の章で説明したとおり、買取価格が仲介より低くなるのは構造的なものです。

対策は、ワケガイの査定額を「最低ライン」と捉え、他の買取業者や仲介の査定も並行して取ること。複数の数字を比べれば、提示額が妥当かどうか自分で判断できます。

注意点2: 担当者によって対応に差がある

どの会社でもあることですが、担当者との相性が合わないという声があります。

対策は、合わないと感じたら担当者の変更を申し出ること。遠慮する必要はありません。

注意点3: エリアや物件によっては断られる

全国対応とはいえ、賃貸需要がまったくないエリアや、農地・山林は断られることがあります。これは公式サイトも明記しています。

対策は、相談前に「宅地として使える土地か」を役所で確認しておくこと。断られてから落ち込むより、最初から別の手段を探せます。

契約前に確認すべき3項目

契約書にサインする前に、必ず次の3点を確認してください。

確認項目見るポイント
決済日と入金方法契約から入金までの日数。「最短」は条件付きであることが多い
契約不適合責任の免責範囲免責特約の有無と、告知義務の範囲
解約条件契約後に売主側から解約できるか、違約金はあるか

宅地建物取引業法35条により、宅建業者は契約前に重要事項を説明する義務があります。また37条により、契約内容を書面で交付する義務があります。

説明が早口で分からなければ、「もう一度お願いします」と言ってください。それはあなたの権利です。

窓口の視点|トラブルの大半は「確認不足」から始まる

買取業者とのやり取りそのもので窓口に来られた方は、私の経験ではいません。

ただ、不動産全般のトラブル相談を見ていると、原因の大半は「契約前に確認しなかった」ことです。

道路種別を確認しなかった、区域区分を確認しなかった、契約書の免責条項を読まなかった。どれも、事前に一言聞けば防げたものばかりです。

次の章で、その「事前に聞くべきこと」を具体的にまとめます。

査定前に自分で確認しておくべき土地の情報

結論です。査定前に役所で5つの情報を確認しておくと、査定が速く正確になり、提示額を自分で評価できるようになります。

買取業者も同じ情報を調べます。先に自分で知っておけば、対等に話ができます。

確認しておきたい5つの情報

確認項目取得先・窓口分かること
公図法務局(オンライン請求も可)土地の形と隣地との位置関係
道路種別市役所 建築指導課など前の道が建築基準法上の道路か
区域区分・用途地域市役所 都市計画課など市街化区域か調整区域か、何が建てられるか
地目登記簿(法務局)農地なら農地法の許可が必要
建築計画概要書市役所 建築指導課など過去の建築確認の記録、接道の経緯

窓口の名称は自治体によって異なります。「建築基準法の道路のことを聞きたい」と総合案内で言えば、担当につないでもらえます。

窓口でよくある光景「何も持たずに来る」

窓口で接道の確認をしたい方に、「公図と位置図をお持ちください」とお伝えしていました。

ところが実際は、何も持たずに来られる方がほとんどです。

そういうときは、窓口にある住宅地図(ゼンリンなど)を一緒に見て、「お宅はこの辺りですか」と場所を特定するところから始めます。

つまり、何も持っていなくても大丈夫です。住所さえ分かれば、窓口で一緒に探せます。

ただ、公図があれば話が一気に早くなります。法務局で1通数百円で取れますし、オンラインでも請求できます。

自分で確認すると何が変わるか

買取業者から提示額が出たとき、「再建築不可だから安いのか」「調整区域だから安いのか」「それとも単に安く買おうとしているのか」を、自分で判定できるようになります。

これが、査定前に調べておく最大の価値です。

役所での確認が終わったら、その情報を手元に置いて査定を申し込んでください。「道路種別は42条2項道路で、間口は1.8mです」と伝えられる売主には、業者も正確な数字を出しやすくなります。

ワケガイの買取の流れと期間

流れは「相談・査定、物件調査、提案、契約、決済」の5段階で、公式サイトでは相談から3営業日以内に査定額提示、合意後は最短翌営業日に買取完了とされています。

5つのステップ

ステップ内容期間の目安(公式情報)
1. 相談・査定電話またはフォームで物件情報を伝え、概算の買取価格が出る3営業日以内に査定額提示
2. 物件調査現地調査と、法的状況・物理的条件の確認物件による
3. 提案調査結果に基づく買取価格と条件の提示物件による
4. 契約条件に合意すれば売買契約を締結合意後
5. 決済代金の支払いと所有権移転。士業と連携最短で契約の翌営業日

査定は無料で、現地調査が必要な場合もエリアを問わず無料とされています。価格が折り合わず買取に至らなくても費用はかかりません。

「最短」の読み方

「最短翌営業日」は、権利関係が単純で、書類が揃っている場合の数字です。

共有者が複数いる、相続登記が終わっていない、借地権の地主との調整が要る、といった物件では、ステップ2と3に時間がかかります。

急いでいる方は、最初の相談時に「いつまでに現金が必要か」を伝えてください。それに合わせた進め方を提案してもらえるかどうかが、業者の実力を測る一つの目安になります。

窓口の視点|業者の調査は、ここまで来る

ステップ2の物件調査で、業者の担当者は役所に来ます。

建築計画概要書を閲覧し、道路の証明書を取り、場合によっては「この道路の種別について回答したのはどなたですか」と担当者の名前まで控えて帰ります。

売主の側から見ると、「業者はこれだけ調べて価格を出している」ということです。

逆に言えば、前の章で紹介した5つの情報を売主が先に把握していれば、この調査が短縮され、提示までの時間も縮まる可能性があります。

他の訳あり物件買取業者との比較

ワケガイ一択で決めるのではなく、2〜3社の査定を並べて比べるのが基本です。
訳あり物件の買取業者は複数あり、得意分野が少しずつ違います。

比較軸ワケガイA社B社
得意分野共有持分、再建築不可、空き家、事故物件、リースバック空き家・再建築不可の再販に強み共有持分・権利調整に特化
対応エリア全国47都道府県全国主に都市圏
士業連携弁護士・司法書士と提携ありあり
査定費用無料無料無料

A社・B社は、実在する複数の買取業者の一般的な特徴を私が整理したものです。個別の社名と条件は、各社の公式サイトでご確認ください。

複数査定で見るべきポイント

価格だけで比べないでください。次の3点を並べて見ると、業者の違いが見えてきます。

  • 提示額の根拠を説明してくれるか(「再建築不可なので」で終わる業者と、「43条2項の許可の見込みがこうなので」と説明する業者では、調査の深さが違う)
  • 決済までの具体的な日数を言えるか
  • 契約不適合責任の免責と、告知義務の範囲を書面で示せるか

窓口の視点|業者の「調査の深さ」は見れば分かる

窓口に来る調査担当者の中には、道路種別だけ聞いて帰る人と、建築計画概要書まで閲覧し、許可の可能性まで聞いてくる人がいます。

後者の業者は、出口の見立てが具体的な分、価格の根拠も具体的です。

売主としては、「提示額の理由を教えてください」と聞いてみてください。その答えの具体性が、その業者がどれだけ調べたかを教えてくれます。

よくある質問

査定だけでも費用はかかりますか

かかりません。公式サイトのよくある質問で、査定は無料、現地調査が必要な場合もエリアを問わず無料、買取に至らなかった場合も費用は一切かからないと明記されています。

遠方の物件でも売却できますか

可能です。全国47都道府県に対応しています。ただし、賃貸需要がまったくないエリアでは買取が難しい場合があると公式サイトに記載があります。

共有者に知られずに自分の持分だけ売れますか

法律上、自分の持分だけなら他の共有者の同意なしに売却できます。共有物全体を処分するには民法251条により全員の同意が必要ですが、持分の処分は各共有者が単独で行えます。

ただし、売却後は買主である業者が新たな共有者となり、他の共有者との間で持分の買取交渉や、民法256条に基づく共有物分割請求が行われる可能性があります。親族関係への影響は、事前に考えておいてください。

農地は売れますか

農地(地目が田・畑)を農地のまま売るには農地法3条の許可、宅地にして売るには農地法5条の許可が必要です。公式サイトも、宅地として利用できない土地は買取が難しいとしています。まず農業委員会で転用の可能性を確認してください。

建物がボロボロでも大丈夫ですか

公式サイトでは、空き家やゴミ屋敷も片付け不要で現状のまま相談できるとされています。取り壊しや清掃を先にする必要はありません。

まとめ

  • ワケガイは「速く、確実に、面倒な物件を手放したい人」向け。価格最優先なら仲介を併用する
  • 運営会社の安全性は、国土交通省の宅建業者検索システムで免許と処分歴を自分で確認する
  • 農地・山林・賃貸需要ゼロのエリアは買取できないことがある。公式も明記している
  • 「売れない土地」の正体は「買った人の出口がない土地」。買取業者は43条2項の許可、隣地買収、賃貸などの出口を自社で作れる
  • 買取価格が安いのは、再販コスト、権利調整コスト、契約不適合責任の引き受けの対価
  • 悪い評判の3点(提示額、担当者差、エリア)は、複数査定と事前確認で対策できる
  • 査定前に、道路種別、区域区分、地目、公図、建築計画概要書を役所で確認しておくと、提示額を自分で評価できる

「売れない」と言われた土地も、出口の作り方を知っている相手に見せれば、数字が付きます。

まず役所で自分の土地の正体を確認し、その情報を手に、無料査定で「いくらになるのか」を知ることから始めてください。

\迷っているなら、無料査定で一歩だけ/

査定額が出れば、「売れるかどうか」で悩む時間が終わり、「売るかどうか」を自分で決める段階に進めます。

本記事は公開情報と専門知識に基づく分析であり、特定のサービスの利用を保証するものではありません。契約前には必ず重要事項説明を受け、不明点は書面で確認してください。

ABOUT ME
コン道先生
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コンドウ先生
「この土地、道路に接していないですよね?」— それを判定する側にいました。 はじめまして、「土地のトリセツ」の運営者です。長年、建築行政の窓口で道路や土地の相談を受けてきました。相談に来るのは一般の方だけでなく、不動産会社の営業担当や建築士といったプロたち。物件の運命を分ける判断が役所の中でどう行われているかを、実務として見てきました。 その中で気づいたのは、「売れない」と言われた土地の多くは、本当に無理なのではなく「その業者が扱えないだけ」だということ。理由が分かれば、出口はあります。 二級建築士・宅地建物取引士・2級FP技能士として、建てられるか・売れるか・お金はどうなるかを、ひとつの土地に対してまとめてお伝えします。
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