再建築不可・接道

接道義務とは?例外・2m未満・満たさない土地の見分け方

コン道先生

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ゴウ不動産
ゴウ不動産

「この土地は道路に2m接していないので、建て替えできません」

不動産会社にそう言われて、この記事にたどり着いた方が多いと思います。

私は長年、役所の建築行政の窓口で道路と土地の相談を受けてきました。
「接道が2mない」という相談は、毎週のようにありました。

そして、その相談のうちかなりの割合が、調べ直すと状況が変わりました。
本当に満たしていない土地もあれば、測り方や敷地の取り方を変えれば足りる土地もあり、例外の制度で建てられる土地もありました。

この記事でわかること

・接道義務のルールを1分で理解
・窓口で毎週見てきた「よくある誤解」
・2mの正しい測り方と満たしていない典型パターン
・例外制度(43条2項認定・許可)の概要
・例外も使えないときの出口

読み終えたときに「自分の土地はどのパターンで、次に何をすればいいか」が分かる状態を目指します。

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この記事を書いている人

コン道先生

・接道、再建築等の相談を行政窓口で経験
・不動産会社や建築士から質問される側
・建築士、宅建、FP2級の資格取得

接道義務を満たさないと分かった後の選択肢は、再建築不可の売却完全ガイド|調べ方・再建築の可能性・5つの売却法にまとめています。

接道義務とは|建築基準法43条を1分で理解する

結論から言うと、接道義務とは「建物を建てる土地は、建築基準法上の道路に2m以上接していなければならない」というルールです。根拠は建築基準法43条1項です。

「建築基準法上の道路」に「2m以上」の2条件

大事なのは、条件が2つあることです。

1つ目は、接している相手が「建築基準法上の道路」であること。
2つ目は、接している長さが「2m以上」であること。

どちらか片方が欠けても、接道義務を満たしたことになりません。

逆に言えば、あなたの土地が「満たしていない」と言われたとき、どちらの条件で引っかかっているのかを切り分けることが、最初の一歩になります。

「道路」の条件で引っかかっているのか、「2m」の条件で引っかかっているのかで、取れる対策がまったく変わるからです。

なぜこのルールがあるのか

簡単な例でいうと火事のときに消防車が近づけて、中の人が逃げられるためです。

2mというのは、担架を持った人がすれ違える、消防ホースを引き込める、というところから来ている数字です。建物の性能を守るルールではなく、命を守るルールです。

だからこそ、行政はこのルールを簡単には緩めません。「うちは車を持っていないから」「隣とは仲がいいから」といった事情は、残念ながら判断に関係しないのです。

接道義務がかからない地域もある

意外と知られていないのですが、接道義務はすべての土地にかかるわけではありません。

建築基準法43条を含む「第3章」のルールは、都市計画区域と準都市計画区域の中だけに適用されます(建築基準法41条の2)。

つまり、都市計画区域の外にある土地には、そもそも接道義務がありません。地方の山林や農村部の土地を相続した方は、まず「その土地が都市計画区域に入っているか」を役所で確認してください。

区域の内外は市区町村の都市計画課で確認できます。区域外であれば、この記事の悩みの大半は最初から存在しません。

窓口で毎週あった「接道の3大誤解」

ここからが、この記事でいちばん伝えたい部分です。

「2mない」「道路じゃない」と言われた土地のうち、実は誤解にもとづいていたケースが窓口では珍しくありませんでした。代表的な3つを挙げます。

誤解1 幅員4mと接道2mは別物

これが最も多い誤解です。

「前の道が4mないから、うちは接道していない」と相談に来る方が本当に多いのですが、これは2つの別のルールが混ざっています。

道路の幅が4m以上必要というのは、建築基準法42条が定める「道路の定義」の話です。 土地が道路に2m以上接するというのは、建築基準法43条が定める「敷地側」の話です。

前の道が4m未満でも、建築基準法42条2項の道路(いわゆる2項道路)に指定されていれば、道路の中心線から2m後退する「セットバック」を条件に建築できます。

「道が狭い」ことと「接道していない」ことは、まったく別の問題です。セットバックについては別の記事で詳しく解説します(準備中)。

誤解2 私道だから道路ではない、は誤り

ポン吉
ポン吉

「前の道は私道なので、建築基準法の道路ではないと言われました」

という相談も多くありました。

しかし、私道であっても建築基準法上の道路になっているものはたくさんあります。

たとえば、開発時に位置の指定を受けた「位置指定道路」(建築基準法42条1項5号)や、古くから建物が建ち並んでいた「2項道路」は、所有者が個人でも建築基準法上の道路です。

私道か公道かは「誰が所有しているか」の話で、建築基準法上の道路かどうかは「行政が指定しているか」の話です。この2つは一致しません。

道路の種類と私道の注意点は、それぞれ別の記事で扱います(準備中)。

誤解3 通れる(囲繞地通行権)=接道ではない

これは逆方向の誤解です。

周りを他人の土地に囲まれた土地の所有者には、公道に出るために囲んでいる土地を通る権利があります(民法210条)。これを囲繞地通行権といいます。

「うちは民法で通行権があるから、建てられるはずだ」と主張される方がいるのですが、通行権は「通ってよい」という民法上の権利であって、建築基準法上の接道にはなりません。

建築確認の審査で見るのは「敷地が道路に2m以上接しているか」であり、「通れるか」ではないからです。窓口で何度も説明した点です。

「2m」の測り方|満たしていないと判断される典型パターン

「道路」の条件はクリアしているのに、「2m」の条件で引っかかっている。この場合、測り方と敷地の考え方で結果が変わることがあります。

敷地は登記の一筆と一致しない

不動産会社の担当者が、登記簿の一筆だけを見て「2mない」と判断しているケースがあります。

しかし、建築基準法でいう「敷地」は、登記上の一筆の土地とは別の概念です。建築基準法施行令1条1号では、敷地は「一の建築物のある一団の土地」と定められています。

つまり、隣接する土地があなたの名義であれば、複数の筆をまとめて1つの敷地として建築計画を立てることができます。

コン道先生
コン道先生

「窓口で実際にあった例です。「2mない」と言われた土地の隣に、同じ方の名義の小さな筆がありました。2筆を合わせて敷地を設定したところ、接道の長さが2mを超え、そのまま建築確認が通りました」

登記簿と公図を持って、自分名義の土地の全体を確認してから判断してください。

旗竿地は最も狭い箇所で判断される

路地状の細長い通路の先に敷地が広がる「旗竿地」の場合、2mが必要なのは道路に接する入口だけではありません。

一般的には、通路部分の全長にわたって2m以上の幅が必要と扱われます。

コン道先生
コン道先生

「入口が2.1mあっても、途中で1.8mに狭まっていれば満たしていないと判断されます」

ここで注意したいのは、幅の測り方に自治体差があることです。

ブロック塀の内側で測るのか外側で測るのか、通路に電柱や擁壁の一部がはみ出しているときにそれを差し引くのか。この「有効幅員」の考え方は、自治体によって取り扱いが異なります。

自分で測るときは、まず最も狭い箇所を測ってください。そのうえで、塀や電柱の扱いは建築指導課の窓口で確認するのが確実です。

水路・里道が挟まる場合は解決できることが多い

土地と道路の間に、細い水路や里道(古い農道など、道路法の道路になっていない公共の通路)が挟まっているケースがあります。

この場合、形式的には「道路に接していない」ことになります。しかし、水路や里道は市町村が管理する公共物なので、占用の許可を受けて橋や暗渠(水路にフタをした構造)を設けることで、道路に接しているものとして扱う自治体が多くあります。

これも自治体ごとに判断が異なるため断定はできませんが、「水路が原因の非接道」は解決できる可能性が高いパターンです。自分で諦める前に、必ず窓口で聞いてください。

条例で「2m」より厳しくなる場合がある

もう1つ、見落とされがちな点があります。

建築基準法43条3項により、自治体は条例で接道の条件を厳しくすることができます。対象になるのは、延べ面積が大きい建物や、路地状の部分だけで道路に接している敷地などです。

たとえば東京都の建築安全条例3条では、路地状部分の長さが20mを超える敷地は、通路の幅が3m以上必要とされています。

「2mあるから大丈夫」と思っていた土地が、条例では足りていないということも起こり得ます。旗竿地で通路が長い場合は、その自治体の条例も確認してください。

満たしていない場合の例外
43条2項の認定・許可の概要

ここまで調べて、それでも接道義務を満たしていない。その場合でも、建築基準法には例外の制度があります。

2018年改正で「但し書き」から「認定・許可」に変わった

昔からこの分野を調べている方は「43条但し書き」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

かつては建築基準法43条1項の但し書きに例外が書かれていましたが、2018年の法改正で、43条2項の「1号認定」と「2号許可」という2つの制度に整理されました。

ネット上の記事には、今も「但し書き許可」という古い表記のまま説明しているものが多くあります。役所で相談するときは「43条2項の認定または許可」と言うと話が早く進みます。

1号認定と2号許可の違い

2つの制度を比較すると、次のようになります。

項目1号認定2号許可
根拠建築基準法43条2項1号建築基準法43条2項2号
典型的な対象幅員4m以上の農道など、道路ではない「道」に2m以上接する土地周囲に広い空地がある土地、行政が個別に支障なしと認める土地
判断する人特定行政庁特定行政庁
建築審査会の同意不要必要
手続きの重さ比較的軽い重い(審査会の開催日程に左右される)
細かい基準建築基準法施行規則10条の3同左+自治体の同意基準

多くの自治体では、2号許可について「この条件を満たす場合は審査会の個別審議を省略できる」こともあります。自分の土地がこの基準に当てはまるかどうかが、実質的な分かれ目になります。

基準の内容は自治体ごとに異なります。どんな例外内容があるか、詳しい使い方や、許可が通りやすい土地の傾向は別の記事で解説します(準備中)。

例外は「建物ごと」で、売却時に引き継げるとは限らない

ここは、売却を考えている方にとって重要な点です。

43条2項の認定や許可は、土地に対してではなく、申請した建築計画に対して出されます。つまり、次に建て替えるときは、また申請が必要です。

あなたが許可を取って建てたとしても、将来の買主が同じ条件で許可を取れる保証はありません。基準が変わることもありますし、周囲の状況が変わることもあります。

また、多くの金融機関は、43条2項許可を前提とした土地への住宅ローンに慎重です。例外で建てられたとしても、「普通に売れる土地」に戻るわけではないと理解しておいてください。

例外も使えないとき|選択肢の全体地図

例外の制度も使えない、あるいは使えても条件が重すぎる。そうなったとき、選択肢は大きく3つに分かれます。

接道させる

隣地の一部を買い取る、または借りて通路を広げる。複数の土地をまとめて位置指定道路を新設する。こうした方法で、土地そのものを「接道している土地」に変えることができます。

ただし、いずれも隣地所有者の協力が前提です。相手が応じなければ進みませんし、価格の交渉でも立場は弱くなります。

方法ごとの現実性と費用は別の記事で比較します(準備中)。

持ち続ける

今の建物を維持して住み続ける、または賃貸に出す。この道を選ぶ方も多くいます。

ただ、建て替えできない土地を持ち続けることには、建物の老朽化、固定資産税、管理責任といったリスクが伴います。

特に相続で受け取った土地の場合、時間が経つほど選択肢が減っていきます。

持ち続ける場合の注意点は、未接道の土地の相続を扱う記事で詳しく説明します(準備中)。

売る

意外に思われるかもしれませんが、接道義務を満たさない土地にも買い手はいます。

一般の不動産会社が「売れない」と言うのは、土地に価値がないからではありません。住宅ローンが付かないので一般の買主に売りにくく、価格が低いので仲介手数料も少なく、調査に手間がかかる。要するに「彼らの商売にならない」からです。

一方で、こうした土地を専門に買い取る業者は、43条2項許可の申請や隣地との交渉、賃貸活用といった手間を自分たちで引き受けることを前提に価格を出します。
役所回りも交渉も、あなたがする必要はありません。

査定に出すだけで、自分の土地に値段が付くのか付かないのかがはっきりします。売るかどうかは、その数字を見てから決めれば十分です。

売却の方法ごとの比較や、なぜ価格が下がるのかの仕組みは、別の記事で解説します(準備中)。

今日やること|順番を間違えないチェックリスト

最後に、窓口で私が案内していた順番をそのまま書きます。この順番で進めれば、無駄な費用と時間を使わずに済みます。

  1. 土地が都市計画区域の中にあるかを都市計画課で確認する
  2. 前面の道が建築基準法上の道路かを建築指導課で確認する
    (調べ方は別記事で解説、準備中)
  3. 自分名義の隣接する筆がないかを登記簿と公図で確認する
  4. 旗竿地なら、通路の最も狭い箇所を測り、塀や電柱の扱いを窓口で聞く
  5. 水路や里道が挟まっていないかを確認する
  6. 満たしていなければ、自治体の43条2項の同意基準を読む(準備中)
  7. 隣地の所有者に、土地の一部の売買や買い取りの意向を打診する
  8. 並行して、専門の買取業者に無料査定を出して現実の数字を知る

1から5までは、役所の窓口に行けば無料で、1日か2日で確認できます。ここを飛ばして「売れない」と決めてしまうのが、いちばんもったいない進み方です。

再建築不可の土地の全体像を知りたい方へ

調べ方から再建築の可能性、売却先の選び方まで、当サイトの再建築不可に関する記事をまとめたガイドはこちらです。
→ 再建築不可の売却完全ガイド|調べ方・再建築の可能性・5つの売却法

まとめ

  • 接道義務は「建築基準法上の道路」に「2m以上」の2条件。どちらで引っかかっているかを切り分ける
  • 幅員4mと接道2mは別のルール。私道でも建築基準法上の道路になっているものは多い
  • 通行権があっても接道にはならない
  • 敷地は登記の一筆とは別。隣の自分名義の筆を合わせると足りることがある
  • 旗竿地は最も狭い箇所で判断され、測り方には自治体差がある。水路が原因なら解決できることが多い
  • 条例で2mより厳しくなる場合がある
  • 例外として43条2項の認定・許可があるが、建物ごとの判断で、売却時に引き継げるとは限らない
  • 例外も使えなければ、接道させる・持ち続ける・売るの3択。専門の買取業者という出口がある

まずは役所の窓口で1から5を確認し、それと並行して専門業者の査定で現実の数字を知る。この2つを同時に進めるのが、いちばん早く答えにたどり着く方法です。

役所回りと隣地との交渉を業者に任せられることが、専門買取のいちばんの価値です。

ABOUT ME
コン道先生
コン道先生
コンドウ先生
「この土地、道路に接していないですよね?」— それを判定する側にいました。 はじめまして、「土地のトリセツ」の運営者です。長年、建築行政の窓口で道路や土地の相談を受けてきました。相談に来るのは一般の方だけでなく、不動産会社の営業担当や建築士といったプロたち。物件の運命を分ける判断が役所の中でどう行われているかを、実務として見てきました。 その中で気づいたのは、「売れない」と言われた土地の多くは、本当に無理なのではなく「その業者が扱えないだけ」だということ。理由が分かれば、出口はあります。 二級建築士・宅地建物取引士・2級FP技能士として、建てられるか・売れるか・お金はどうなるかを、ひとつの土地に対してまとめてお伝えします。
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