再建築不可・接道

私道の持分なしでも売却できる?承諾書がもらえない時の対処法

コン道先生

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ゴウ不動産
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「前の道が私道で、持分がないですね。うちではちょっと扱えません」

私道の持ち主に承諾書を頼みに行ったら、断られた。

そもそも持ち主が誰で、どこにいるのかも分からない。

私は建築行政の窓口で、この相談を何度も受けてきました。 そして多くの方が、「もうこの土地は売れないんだ」と思い込んでいました。

先に結論をお伝えします。

私道の持分なしでも、土地は売却できます。 ただし、「承諾書が取れるかどうか」で、選ぶべき出口が変わります。

この記事でわかること
  • 私道の持分なしで「売れない」と言われる本当の理由
  • 承諾書がもらえない時の、理由別の進め方
  • 2023年の民法改正で、通行と掘削のルールがどう変わったか
  • 所有者と話ができない時の、現実的な売却ルート
  • 買取査定で損をしないために聞くべき質問

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この記事を書いている人

コン道先生

・接道、再建築等の相談を行政窓口で経験
・不動産会社や建築士から質問される側
・建築士、宅建、FP2級の資格取得

私道持分がなく再建築もできない土地の売り方は、再建築不可の売却完全ガイド|調べ方・再建築の可能性・5つの売却法にまとめています。

目次

結論: 私道の持分なしでも売却できる。止めているのは法律ではなく買い手の不安

結論から言うと、持分がないことを理由に売却を禁じる法律はありません。

売却を止めているのは、買い手と銀行の「不安」です。

売却を禁じる法律はない

まず言葉を整理します。

私道とは、個人や会社が所有している道のことです。

持分とは、その道を複数人で共有している場合の、自分の取り分のことです。

「持分なし」とは、家の前の道が他人のもので、自分はその道の権利を登記上まったく持っていない状態を指します。

それでも、あなたの土地はあなたのものです。 自分の土地を誰に売るかは自由で、私道の所有者の許可はいりません。

問題は「売ってよいか」ではなく、「買う人がいるか」です。

値段がつかなくなる仕組み

持分なしの土地で値段がつきにくくなる流れは、次の通りです。

承諾書がない
↓
買い手が住宅ローンを組みにくい

↓
現金で買える人だけが相手になる
↓
価格が下がる、または問い合わせが来ない

承諾書とは、私道の所有者が

「この道を通ってよい」
「水道管などの工事で掘ってよい」

と書面で約束したものです。
正式には「通行・掘削承諾書」と呼ばれます。

金融機関は、道の権利関係がはっきりしない土地への融資に慎重です。

ただし、どこまで求めるかは金融機関によって異なります。

この記事で扱う範囲

この記事は、位置指定道路以外の私道を対象にしています。

位置指定道路とは、私道のうち、役所が建築基準法上の道路として位置を指定したものです。

役所で「前の道は位置指定道路です」と言われた方は、専用の記事をご覧ください。

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次の一手 まだ道の種類が分からない方は、次の章の早見表で当たりをつけてください。

1分で確認。あなたの私道はどのタイプか

結論から言うと、持分なしの深刻さは「道のタイプ」で大きく変わります。

同じ私道でも、建て替えに影響しないタイプと、大きく影響するタイプがあるからです。

私道4タイプの早見表

タイプ建て替え持分なしの影響
2項道路(42条2項)原則できる。セットバックが必要中。通行・掘削とローンの問題
既存道路(42条1項3号)原則できる中。同上
43条2項の通路認定・許可が下りればできる大。所有者の同意が基準に入ることがある
どれでもない通路原則できない大。再建築不可の問題が重なる

※条文はいずれも建築基準法です。

2項道路は、幅4m未満の古い道で、役所が道路とみなしたものです。



\2項道路詳しくはこちら/

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既存道路は、建築基準法が適用された時点ですでにあった、幅4m以上の道です。

43条2項の通路は、建築基準法上の道路ではないものの、役所の認定や許可を受けて建築が認められてきた通路です。

\43条2項詳細はこちら/

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ここで、窓口に立っていた人間として一つお伝えします。

窓口実例

窓口でよくあるのは、「私道の持ち主が反対しているので、建築確認は下りませんよね」という質問です。
建築確認とは、建物の計画が建築基準法などに合っているかを審査する手続きです(建築基準法6条1項)。 審査するのは法令への適合であり、私道の所有者との民事上の関係は、原則として審査の対象ではありません。

つまり、前の道が2項道路や既存道路であれば、持分がなくても建て替えの道は開いています。

一方、43条2項の通路は事情が違います。
これは次の次の章で触れます。

窓口でそのまま使える一言

市役所の建築指導課(名前は自治体によって異なります)で、こう聞いてください。

「この土地の前の道は、建築基準法上のどの道路に当たりますか」

持ち物は、地番が分かる書類(固定資産税の納税通知書など)です。

次の一手 道のタイプが分かったら、次は「なぜ承諾書がもらえないのか」を整理します。

\基準法道路についてはこちら/

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私道の承諾書がもらえない。理由別の進め方

結論から言うと、承諾書がもらえない理由は4つに分かれ、理由ごとに最初の一手が違います。

やみくもにお願いを繰り返すより、自分がどれに当たるかを先に見極めてください。

なお、承諾書に入れるべき項目(通行・掘削・車両・承継・無償)は、位置指定道路の記事の表にまとめています。 私道全般で共通なので、そちらを参考にしてください。

理由最初の一手頼る先
所有者が不明・相続未登記登記簿の住所へ手紙司法書士・弁護士
共有者が多すぎる世話役を探す不動産会社・司法書士
過去のトラブル第三者を間に入れる不動産会社・弁護士
高額な承諾料金額の根拠を聞く弁護士

理由1: 所有者が不明・相続登記がされていない

法務局で私道部分の登記事項証明書を取ると、所有者の名前と住所が分かります。 これは誰でも取得できます。

まずは、その住所に手紙を出します。

宛先不明で戻ってきた場合や、名義人がすでに亡くなっている場合は、個人で追うのは難しくなります。 他人の戸籍は、原則として自分では取れないからです。

この段階で、司法書士や弁護士に相談するのが現実的です。

窓口実例

窓口でよくあるのは、「登記簿の名義が明治生まれの人のままだった」という相談です。 相続人が何十人にも増えていることがあり、ここで止まる方が本当に多いです。

理由2: 私道の共有持分を持つ人が多すぎて、判子が集まらない

私道が10人、20人の共有になっているケースです。

実務では、銀行や買い手から「共有者全員の署名」を求められることが多く、1人でも欠けると話が止まります。

ここで知っておいてほしいことが2つあります。

1つ目は、法務省が「所有者不明私道への対応ガイドライン」を公表していることです。 共有私道での工事について、全員の同意が必要な場面と、そうでない場面を事例ごとに整理しています。 個別の判断は専門家に確認してください。

2つ目は、共有持分は、各共有者が自分の分だけを単独で譲渡できることです。 全員を説得できなくても、協力的な1人から持分を少し譲ってもらう道があります。 これは後の章で説明します。

進め方としては、共有者の中の世話役(自治会の役員など)を探し、同じ書式でまとめてお願いするのが近道です。

理由3: 過去の近隣トラブルで断られた

駐車、騒音、境界。 親の代のもめごとが原因で、「あの家には判子を押さない」と言われるケースです。

この場合、本人が何度も行くほどこじれます。

不動産会社など第三者に間に入ってもらい、感情の問題と権利の問題を切り分けてください。 法的な交渉の代理を頼む場合は、弁護士になります。

窓口実例

窓口でも、「役所から隣の人に言ってもらえませんか」とよく頼まれました。 しかし、役所は当事者同士の民事の問題には入れません。 ここは正直にお伝えしておきます。

理由4: 高額な承諾料を求められた

いわゆる「判子代」です。

承諾料の金額を定めた法律はありません。 地域や当事者の関係によって大きく変わるため、相場の数字はあえて書きません。

次の章で説明する民法213条の2が定めているのは、工事で実際に生じた損害に対する「償金」です。 判子を押すこと自体への対価ではありません。

払うと決めた場合も、口約束では絶対に払わないでください。 必ず、署名と押印のある承諾書と引き換えにします。

頼む順番と伝え方

  • 最初は手紙。いきなりの訪問は警戒されます
  • 売却を考えていることは、正直に伝える
  • 承諾書の文案を先に用意し、相手の手間を減らす
  • 「次の所有者にも引き継がれる」一文を必ず入れる

次の一手 自分がどの理由に当たるかを決め、表の「最初の一手」だけを今週中に実行してください。

承諾書がなくても、法律はここまで味方してくれる

結論から言うと、承諾書がなくても、通行と掘削には法律上の後ろ盾があります。

ただし、「権利がある」ことと「土地が売れる」ことは別の話です。 この章では、その両方を正直に書きます。

通行: 突然通れなくなることは起きにくい

根拠は主に3つあります。

1. 囲繞地通行権(いにょうちつうこうけん) 他人の土地に囲まれて公道に出られない土地の所有者は、周りの土地を通行できます(民法210条)。 通る場所と方法は、必要で、かつ相手の損害が最も少ないものに限られます(民法211条)。

2. 判例が認める通行の保護 最高裁は、建築基準法上の道路になっている私道について、日常生活に欠かせない通行を妨害された人は、妨害の排除を求められるという考え方を示しています(最高裁平成9年12月18日判決)。 2項道路についても、同じ枠組みで判断されています(最高裁平成12年1月27日判決)。

3. 通行地役権 自分の土地のために他人の土地を通る権利です(民法280条)。 長年の通行による時効取得(民法283条)もありますが、認められる条件は厳しめです。

注意点が1つあります。

車での通行は、別問題になることがあります。

徒歩での通行は守られても、車の通行まで認められるかは、必要性や周囲の状況などを総合して判断されます(最高裁平成18年3月16日判決)。 先ほどの平成12年の判決も、車での通行については認めなかった事例です。

窓口でよくあるのは、「私道の持ち主に、明日から通るなと言われた」という相談です。 徒歩での日常の通行まで止められる事態は、通常は起きにくいとお伝えしてきました。

掘削: 2023年4月の民法改正で何が変わったか

ここが、古い記事には書かれていない重要な変更点です。

2023年4月施行の改正民法で、ライフライン設備の設置権・使用権が条文になりました(民法213条の2)。

簡単に言うと、次の内容です。

  • 他人の土地を使わないと電気・ガス・水道を引けない場合、必要な範囲で設備を設置できる
  • 他人が所有する設備(私設の水道管など)を使うこともできる
  • 場所と方法は、相手の損害が最も少ないものを選ぶ
  • 事前に、目的・場所・方法を相手に通知する必要がある
  • 損害が出た場合は、償金を支払う

つまり、法律上は「承諾」ではなく「通知」で足りる場面ができた、ということです。

ただし、現場は別です。

水道やガスの事業者は、今も私道所有者の承諾書を求めるのが通常です。 運用は自治体や事業者によって異なります。

また、相手が工事を実力で妨害してきた場合、こちらも実力で押し切ることはできません。 裁判で妨害をやめるよう求めることになります。

所有者が行方不明の場合の制度

項目改正前2023年4月以降
他人の土地への配管明文の規定なし設置権・使用権を明文化(213条の2)
所有者が所在不明の土地人単位の管理制度が中心土地単位の管理人制度(264条の2)
共有私道の軽い工事全員同意と解されがち軽微な変更は持分の過半数(251条1項・252条1項)

所有者不明土地管理命令(民法264条の2)は、所有者が分からない土地について、裁判所が管理人を選ぶ制度です。

利害関係人が申し立て、選ばれた管理人と承諾や持分の交渉をする、という使い方が考えられます。 持分のない隣接地の所有者が利害関係人に当たるかは、裁判所が個別に判断します。

なお、行方不明の共有者の持分を取得できる制度(民法262条の2)もあります。 ただし、これは私道の共有者が使える制度です。 持分のない方が、直接使うことはできません。

どの手続きも、裁判所への申立てと費用の予納が必要で、時間がかかります。

「権利がある」と「売れる」は別の話

ここまで読んで、「それなら承諾書はいらないのでは」と思われたかもしれません。

残念ながら、そうはなりません。

銀行と一般の買い手が見るのは、権利の理屈ではなく、手元にある書面です。 「法律上は通れますし、掘れます」と説明しても、承諾書がなければ融資の審査は進みにくいのが現実です。

だからこそ、次の章の「出口の選び方」が大事になります。

次の一手 法律は最低限の生活を守ってくれます。安心したうえで、売り方の検討に進んでください。

持分なし私道の売却ルートは「所有者と話ができるか」で決まる

結論から言うと、判断の分かれ目は1つだけです。

私道の所有者と、話ができるかどうか。

私道の所有者と話ができる

→ はい。条件も合う: ルートA(承諾書、または共有持分の取得)

→ はい。でも条件が合わない: ルートB(私道所有者・隣地に売る)

→ いいえ。所有者不明・拒否: ルートC(法的手続き、または持分なしのまま買取)

ルートA: 承諾書を取る、または私道の共有持分を買い取る

最も高く売れる王道です。

承諾書が取れれば、一般の仲介で、住宅ローンを使う買い手にも売れるようになります。

もう一つが、私道の共有持分を少しだけ買い取る方法です。

共有者は、持分の大小にかかわらず、共有物の全体を持分に応じて使えます(民法249条1項)。 持分を持てば、「他人の道を通っている人」から「道の共有者」に立場が変わります。

前の章で触れた通り、持分の譲渡は各共有者が単独でできます。 全員の同意はいりません。

ただし、売買代金のほかに登記の費用がかかります。 道の一部を切り分けて買う形なら、測量と分筆の費用も必要です。 金額は土地ごとに大きく違うため、先に司法書士や土地家屋調査士から見積もりを取ってください。

ルートB: 私道の所有者や隣地に買ってもらう

承諾書は出せないが、「その土地なら買ってもいい」という所有者もいます。

私道の所有者にとって、あなたの土地は権利関係の不安がない土地です。 ほかの誰よりも、納得できる価格を出せる可能性があります。

相手にメリットがある場合にだけ成立する方法なので、一度打診して反応がなければ、深追いは不要です。

ルートC: 法的手続きをとるか、持分なしのまま買取に出すか

所有者が不明、または話し合いを拒否されている場合です。

選択肢は2つです。

  • 前の章の制度を使い、時間と費用をかけて権利を整えてから売る
  • 今の状態のまま、訳あり物件を専門に扱う買取業者に売る

窓口で見てきた限り、個人で裁判所の手続きまで進める方は多くありません。 相続した実家で、遠方に住んでいる方ならなおさらです。

43条タイプの方だけ、追加で確認すること

前の道が「43条2項の通路」だった方は、もう一点あります。

認定や許可の基準として、通路の所有者全員の同意書や協定を求める特定行政庁があります。 特定行政庁とは、建築確認などを所管する市や県のことです。

基準は自治体によって異なります。 窓口で「通路の所有者の同意は、許可の条件になりますか」と聞いてください。

同意が条件で、かつ同意が取れない場合、その土地は実質的に再建築が難しくなります。 この場合は、ルートCの買取が現実的です。

ルート別の比較

ルート価格期間手間
A 承諾書を取って仲介高い相手次第中
A 共有持分を取得して仲介高い中〜長い大きい
B 私道所有者・隣地へ売却相手次第相手次第中
C 法的手続きの後に売却高めを狙える長い大きい
C 持分なしのまま買取下がる短い小さい

「相場の何割」といった数字は、土地の条件で大きく変わるため、ここでは書きません。

大事なのは、ルートを決める前に、今の状態での価格を知っておくことです。

買取の金額が分かれば、「費用と時間をかけて承諾を取りに行く価値があるか」を数字で判断できます。

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承諾書なし・持分なしのままで査定できるので、私道の所有者と交渉する前に、あなたの土地の「現在地」が分かります。

次の一手 ルートAやBを試す方も、先に査定額を手元に置いておくと、交渉でいくらまで出せるかの基準になります。

持分なしのまま買取に出す前に知っておくこと

結論から言うと、買取は「早くて確実」な代わりに価格は下がります。 だからこそ、業者選びと質問の仕方で差がつきます。

なぜ専門業者は承諾書なしで買えるのか

専門の買取業者は、買い取った後に、自社で承諾の交渉や相続人の調査を行います。

その手間と、失敗するリスクを引き受ける分が、価格から差し引かれます。 安くなるのには理由がある、ということです。

業者を見る4つのポイント

  • 私道や再建築不可の買取実績を、具体的に説明できるか
  • 査定額の根拠を、言葉で説明してくれるか
  • 契約不適合責任の扱いを、最初から明示しているか
  • 契約から入金までの期間がはっきりしているか

契約不適合責任とは、売った土地が契約の内容と違っていた場合に、売主が負う責任のことです(民法562条以下)。 買主が不動産会社の買取では、この責任を免除する特約をつけるのが一般的です。 売った後の心配がなくなるため、必ず確認してください。

あわせて、宅地建物取引業の免許を持つ会社かどうかも見ておきましょう。 国土交通省の検索システムで、誰でも確認できます。

査定の時に聞くべき5つの質問

  1. この査定額は、承諾書なし・持分なしを前提にした金額ですか
  2. 契約後や決済前に、減額される条件はありますか
  3. 契約不適合責任は免責ですか。契約書のどこに書かれますか
  4. 測量や残置物の片づけは、どちらの負担ですか
  5. 契約から入金まで、どれくらいかかりますか

窓口で聞いた後悔の声で多かったのは、「最初に聞いた金額から、後で下げられた」というものです。

2番の質問を最初にしておくだけで、この後悔はかなり防げます。

査定前にそろえるもの

  • 公図(法務局)
  • 私道部分の登記事項証明書(法務局)
  • 固定資産税の納税通知書
  • 役所で聞いた道路種別のメモ

すべてそろっていなくても、査定は受けられます。 ただ、道路種別のメモがあると、査定の精度が上がります。

査定は必ず複数の会社に出してください。 私道の案件は、業者の得意・不得意で金額の差が出やすいからです。

次の一手 5つの質問をスマホにメモしてから、査定を申し込んでください。

やってはいけない3つの行動

結論から言うと、焦って動くと、取れたはずの承諾まで取れなくなります。

1. 感情的な直接交渉 一度こじれた関係は、買い手や業者にも引き継がれます。

2. 承諾料の口約束 お金だけ払って書面がもらえなかった、という相談は実際にありました。 必ず書面と引き換えにしてください。

3. 無断での掘削や、障害物の勝手な撤去 法律上の権利があっても、実力行使は認められません。 損害賠償を求められるおそれがあります。

なお、持分がないことを隠して売るのは論外です。 理由は位置指定道路の記事に書いた通りで、私道全般に当てはまります。

そして、一番よくないのが「とりあえず放置」です。 時間がたつほど私道側の相続が進み、交渉相手が増えていきます。 放置のリスクは、再建築不可の記事で詳しく説明しています。

よくある質問

持分なしだと、再建築不可になりますか

なりません。

再建築できるかどうかは、道の「所有者」ではなく、道の「種類」で決まります。 前の道が2項道路や既存道路なら、持分がなくても原則として建て替えできます。

私道の所有者に「通るな」と言われました

徒歩での日常の通行まで止められることは、通常は起きにくいです。 根拠は、この記事の「通行」の項目をご覧ください。

物を置かれるなど、実際に妨害された場合は、弁護士に相談してください。

私道の所有者が亡くなっているようです。誰に頼めばよいですか

相続人が相手になります。

個人で相続人をたどるのは難しいため、司法書士や弁護士に相談するか、調査ごと引き受ける買取業者に任せる方法があります。

相続したばかりでも、査定に出せますか

出せます。

ただし、売却の契約までには、あなた自身の土地の相続登記を済ませる必要があります。

査定だけ受けて、断ってもよいですか

問題ありません。

査定は、判断材料を集めるためのものです。 金額を見てから、自分で動くか任せるかを決めてください。

再建築不可の土地の全体像を知りたい方へ

調べ方から再建築の可能性、売却先の選び方まで、当サイトの再建築不可に関する記事をまとめたガイドはこちらです。
→ 再建築不可の売却完全ガイド|調べ方・再建築の可能性・5つの売却法

まとめ: 私道の持分なしは「売れない」ではなく「出口の選び方」

  • 私道の持分なしでも、土地の売却は法律上自由にできる
  • 値段がつきにくい原因は、承諾書がなく住宅ローンが使いにくいこと
  • 持分なしの深刻さは、道のタイプで変わる。まず役所で道路種別を確認する
  • 2項道路や既存道路なら、持分がなくても建て替えの道は開いている
  • 承諾書がもらえない理由は4つ。理由ごとに最初の一手が違う
  • 2023年の民法改正で、ライフライン設備の設置権が明文化された(民法213条の2)
  • 出口は「私道の所有者と話ができるか」で決まる
  • 共有持分は、協力的な共有者1人から譲ってもらう方法もある
  • 話ができない場合は、持分なしのまま専門の買取業者に売るのが現実的
  • 査定では「後から減額される条件はあるか」を必ず聞く

承諾書がもらえないことは、行き止まりではありません。

今日できる一手は、役所で道路種別を聞くことと、今の状態での価格を知ることです。 どちらも無料で、どちらもあなたの判断を楽にしてくれます。

無料で、査定後に断っても問題ありません。 複数社の金額を比べることで、「もっと高く売れたのに」という後悔を防げます。

ABOUT ME
コン道先生
コン道先生
コンドウ先生
「この土地、道路に接していないですよね?」— それを判定する側にいました。 はじめまして、「土地のトリセツ」の運営者です。長年、建築行政の窓口で道路や土地の相談を受けてきました。相談に来るのは一般の方だけでなく、不動産会社の営業担当や建築士といったプロたち。物件の運命を分ける判断が役所の中でどう行われているかを、実務として見てきました。 その中で気づいたのは、「売れない」と言われた土地の多くは、本当に無理なのではなく「その業者が扱えないだけ」だということ。理由が分かれば、出口はあります。 二級建築士・宅地建物取引士・2級FP技能士として、建てられるか・売れるか・お金はどうなるかを、ひとつの土地に対してまとめてお伝えします。
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